平成二九年八月四日(金)

 旧暦水無月六月十三日

 ふと気が付いた時には庭の小さな家庭菜園に育つ植物に水を灌ぐ。遠くのほうでわずかな生涯を散らせている蝉の鳴き声がして、自前のモーニングを着たツバメが三羽、近所の台所の窓枠にできる薄細い日陰で休んでいる。妻から「挨拶してね」と言われたので、窓を開けて「こんにちは、ツバメさん」と言い、カメラを近づけると、二羽が飛び去って行った。

 私が話しかけたツバメは「どうぞ私でよければ」というようなジェントルの佇まいにて、一枚撮影させてくれた。登下校で楽しそうに歩く子供たちの話し声がする。普段はそれだけで終わる。しかしときどき、中年の男性が自転車を漕ぎ、水色の青空や家々の中にまで響くと思われる爽やかな声で、なにかを歌いながら駆け抜けていく。もう五~六回は見かけただろう。

 青々とした緑に囲まれて夏。夕方のそよ風が清々しい。白いレースのカーテンが揺れているのを眺め、読書の合間、休憩の時間を無為に過ごすのが何よりのお気に入りだ。そしてまた日が暮れていくのを途方もなく感じている。地球の年齢(Age of the Earth)46億年。レッドビーツは好みでないが、妻の剝いてくれた李と桃は美味い。